記事更新日:2026年11月02日
記事公開日:2026年11月02日
統合報告書、インパクトレポート、調査レポートなど、会社が1年の取り組みや調査結果をまとめて公開するレポートは、最近は冊子やWordの文書ではなく、横長のスライドの形で作られることが増えています。スライド型のレポートは画面で読みやすく、1ページごとに話題を区切れるので、投影にもWebでの公開にも向いています。
この記事では、スラデザに掲載しているレポートのスライド150枚をすべて見比べ、表紙・目次・ハイライト・調査結果のグラフの4つのページの型ごとに、実在企業のスライドを2枚ずつ、計8枚選んで解説します。パワポやGoogleスライドでレポートを作るときの参考にしてください。
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レポートは数十ページになることが多く、ページごとに役割がはっきり分かれています。まずは、この記事で取り上げる4つのページの型と、それぞれで気をつけたいことを整理しておきます。
| ページの型 | 役割 | デザインで気をつけたいこと |
|---|---|---|
| ① 表紙 | レポートの名前と年度を伝え、全体の印象を決める | 写真やイラストを大きく使い、タイトルと年度は大きな文字で |
| ② 目次 | どこに何が書いてあるかを示す | 章番号とページ番号をそろえ、章の数に合わせて縦か横かを選ぶ |
| ③ ハイライト | 1年間の成果を数字でまとめて見せる | 数字を一番大きく、説明は短く。項目ごとに箱で区切る |
| ④ 調査結果のグラフ | アンケートや統計の結果を根拠として見せる | 結論を見出しに書き、グラフの中で伝えたい値だけを強調する |
表紙はレポートの顔です。冊子の表紙と同じように、写真やイラストを大きく使い、タイトルと年度を大きな文字で置くのが基本です。

商船三井のレポートスライドです。統合報告書「MOL REPORT 2024」の表紙です。帆を立てた船を正面から撮った写真を、青い空と海ごとスライド全体に敷いています。左上には白い太字で「MOL REPORT 2024」を3行に分けて大きく置き、「MOL」のOの部分だけを青い球体に置き換えています。右上には会社のロゴを小さく置いているだけで、ほかの文字はありません。

引用元:https://www.sekisuihouse.co.jp/library/company/sustainable/download/2024/value_report/all.pdf
積水ハウスのレポートスライドです。「VALUE REPORT 2024」の表紙です。淡い水色の大きな球体の中に、家・ビル・木・家族や子どもの姿を細い線のイラストで描き込んでいます。右側には黒の太字で「VALUE REPORT 2024」、その下に「— OUR ENGAGEMENT」、右下に「2024年1月期」と社名を置き、右上にロゴ。色は水色と黒にほぼ絞っています。
レポートはページ数が多いので、目次でどこに何が書いてあるかを示しておくと、読み手は気になる章から読めます。章の数が少なければ縦に、多ければ横に並べると収まりがよくなります。

ユーザベースのレポートスライドです。「UZABASE DEIB Report 2024」の目次です。薄いベージュの背景の中央に「目次」と置き、その下に4つの章を縦に並べています。章番号の「01」〜「04」は濃いグレーの丸の中に白い数字で入れ、章名とページ番号「P4-10」の間を細い線でつないでいます。章は4つだけなので、行の間を広く取っています。

引用元:https://corp.en-japan.com/company/report/enjapan2023_report.pdf
エン・ジャパンのレポートスライドです。統合報告書の目次です。「COMPANY」「BUSINESS」「SUSTAINABILITY」「DATA」の4つの大きな章を横に4列で並べ、各列の下に節の名前とページ番号を縦に並べています。章名は青のグラデーションの太字で、節は黒の細い文字。下の水色の帯には、タブやリンクマークをクリックするとそのページへ移動できることを説明した「操作ガイド」を置いています。
ハイライトは、1年間の成果を数字だけでまとめて見せるページです。忙しい読み手はこのページしか読まないこともあるので、数字を一番大きく、説明は1〜2行にとどめます。

引用元:https://speakerdeck.com/mercari_inc/fy2025-dot-6-impact-report-jp
メルカリのレポートスライドです。「Impact Report」の人的資本ハイライトです。淡いミント色の箱を6つ並べ、「2,159人」「55カ国」「29.7%」「84.8%」「126.3日」「1.4%」といった数字を濃い緑の大きな文字で入れています。数字の横には人のアイコンを並べた図や地球のイラスト、カレンダーのイラストを添え、男女間の賃金格差は「7%→2.5%→2.3%→1.4%」と下向きの矢印で縮まっていく様子を見せています。

マネーフォワードのレポートスライドです。「Forward Map」の見開きのページ「データで見るマネーフォワード」です。従業員数の「2,597名」を黄色の楕円の中に大きく置き、その下に年ごとの棒グラフを並べています。ほかにもAI基礎研修の受講者数「2,397名」、労働基準法違反件数「0件」、MSCI ESGレーティングの「AA」などを白い箱に1つずつ入れ、どの箱にも人物のイラストを添えています。色は黄色とオレンジにそろえています。
アンケートや統計の結果をグラフで見せるページです。見出しに結論を1文で書き、グラフの中では伝えたい値だけを大きくすると、細かい数字を読まなくても言いたいことが伝わります。

引用元:https://speakerdeck.com/schoo/schoo-for-business-inpakutorepoto2025
Schooのレポートスライドです。「Schoo for Business インパクトレポート2025」のアンケート結果のページです。左右2つの角丸の枠に、それぞれ黄色とオレンジのドーナツグラフを入れています。左は「88.0%の学習者が組織エンゲージメントが高まった」、右は「93.0%の人事がSchooによるエンゲージメント向上を期待している」と、結論の数字をグラフの上に大きく書いています。グラフの周りには回答ごとの割合を、線を引いて配置しています。

引用元:https://www.slideshare.net/enlead39/ss-b5e1
エンリード不動産のレポートスライドです。ファクトブックの「相続などによる空き家の増加」のページです。左に住宅・土地統計調査をもとにした空き家数の棒グラフ(紺)と空き家率の折れ線グラフ(黄色)を重ね、2018年の「空き家は848.9万戸、空き家率は過去最高の13.6%」を枠で囲んで強調しています。右には空き家の内訳を横長の帯グラフで見せ、その下に「空き家が増え続けている」→「当社事業」→「新しい住まいの選択肢」と3段の箱を矢印でつなぎ、最下段に黄色の文字で結論を書いています。
今回は「レポート」の高品質なスライドを8つ紹介しました。
スライド型のレポートは、ページごとに役割がはっきり分かれています。表紙で印象を決め、目次で読みたいページへ案内し、ハイライトで成果を数字で見せ、調査結果のグラフで根拠を示す、という流れです。
どのページでも共通しているのは、一番伝えたい文字や数字を一番大きくすることです。レポートを作るときは、各ページで一番大きくするものを1つ決めてから作り始めてみてください。
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