記事更新日:2026年08月22日
記事公開日:2026年08月22日
円グラフは、構成比を伝えるいちばん手軽な図です。ただ、パワポの初期設定のまま作ると色が7色に散らばり、ラベルが重なり、何を見せたいのか分からない図になりがちでもあります。
そこで今回は、スラデザに集まった実際のビジネス資料から、円グラフのスライドを「見せ方の型」ごとに5つに分けて15枚紹介します。おしゃれかどうかではなく形で分類しているので、「自分がいま作りたい図はどれか」から逆引きできます。
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本題に入る前に、この記事で扱う5つの型を整理しておきます。同じ「割合のデータ」でも、伝えたいことによって選ぶべき形は変わります。
| 型 | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ① 中央に数字を置くドーナツ型 | 構成比と全体量を1つの図で伝える | 社員数、職種比率、売上構成 |
| ② グレー+アクセント1色型 | ひとつの割合の大きさを訴える | 市場シェア、アンケートの回答比率 |
| ③ 小さな円を横並びにする型 | 性質の違う複数のデータを一覧させる | 数字で見る◯◯、メンバー構成 |
| ④ 構成比の変化を見せる型 | 前後・年次の違いを見せる | 中期経営計画、事業ポートフォリオの転換 |
| ⑤ 図解・写真と融合させる型 | 円グラフを説明全体のハブにする | 事業ポートフォリオ、市場規模 |
円の内側をくり抜き、空いた穴に総数やキーメッセージを置く型です。「何名のうちの何%か」を1つの図で言い切れるので、会社紹介資料でもっともよく見かける形になっています。

引用元:https://speakerdeck.com/macloud/cai-yong-pitutibutuku
株式会社M&Aクラウドの円グラフスライドです。この型の教科書と呼びたい1枚。白い角丸カードを左右に2枚並べ、左が職種比率(赤)、右が年代比率(紺)と色相で役割を分けています。どちらもスライスの上には一切文字を置かず、7つ・8つある項目名と人数をすべて引き出し線で外に出しているので、「マーケティング 5名」のような細いスライスの数字まで読めます。中央には「社員数101名+インターン28名」。分割数が多いのに散らからないのは、1枚のグラフを1色相の明度差だけで塗っているからです。

引用元:https://speakerdeck.com/aisaac/companydeck
アイザック株式会社の円グラフスライドです。同じ「中央に数字」でも、こちらは11職種という多さを逆手に取っています。いちばん濃い赤のExecutiveから時計回りに1段ずつ明度を上げ、最後のOtherだけグレーに逃がす。色の順番がそのまま職種の並び順になっているので、右の凡例と照らし合わせなくても対応関係を追えます。中央は「全11職種」と数字だけ赤にしてサイズを上げる書き方。凡例には職種名の右に「PO / PdM / PMM」と小さく内訳を添え、円グラフをこれ以上分割せずに情報量を足しています。

引用元:https://speakerdeck.com/halu_japan/zshi-dai-siyotodoramaqi-dian-noci-shi-dai-xing-purodakusiyon
HA-LU Inc.の円グラフスライドです。ドーナツ本体はほとんど明度差のないグレー3段階で塗られていて、色がついているのは中央の「32名」だけ。ブランドカラーの青紫グラデーションを、左の「Member 32名」「Age 25.6歳」、下の棒グラフ、そして円の中央にだけ使い、グラフの塗りは全部グレーに任せています。数字はすべて同じイタリック体。円グラフ・棒グラフ・大きな数字という3種類の要素が、書体と色のルールだけで1つのダッシュボードにまとまっています。
主役の1項目だけに色を置き、残りをすべてグレーにする型です。「シェアが8割」「賛成が6割」のように、割合そのものが主張になるスライドはこの形が向いています。

引用元:https://speakerdeck.com/sansan33/sansan-company-profile
Sansan株式会社の円グラフスライドです。使っている色は紺と薄いグレーの2色だけ。しかも円の中にはラベルも%も一切書かず、「シェア 82.4%」を左に特大で置いています。グラフは形だけを担当し、数字は文字が担当するという割り切りです。右の「利用企業 9000社」に添えた棒グラフも、最新の1本だけ紺で残りはグレーという同じルール。ドーナツの直径と数字の高さがそろっているので、余白が乱れません。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20250627/140120250623596005.pdf
株式会社ASNOVAの円グラフスライドです。96.4%を赤、3.6%をグレーに塗った太めのドーナツを中央に置き、左右に「超高層マンション」「低中層マンション」の線画アイコンをそれぞれの色で配置しています。アイコンの色とスライスの色が一致しているので、ラベルを読まなくてもどちらが何の話か分かる作りです。中央の穴には比率ではなく母数の「約704.3万戸」。%の文字色もスライスと同じ赤とグレーでそろえてあり、視線が96.4%へまっすぐ集まります。
株式会社INFORICH-020.webp)
引用元:https://f.irbank.net/pdf/20260331/140120260331594135.pdf
株式会社INFORICHの円グラフスライドです。同じ「主役1色+グレー」でも、競合4社をひとまとめのグレーにせず、濃い順にA社・B社・C社・その他と明度を分けているのがうまい。自社84.7%の中だけラベルを白抜きで内側に置き、競合は外側に黒文字で出しているので、引き出し線を1本も使わずに主役が決まっています。右には設置台数の実数表を添えてあり、「8割」という主張の裏付けまで同じスライドで済ませています。
年齢・性別・職種のように、性質の違うデータを小さな円で並べる型です。「数字で見る◯◯」のページはほぼこの形で、円の数が増えるぶん、そろえ方の丁寧さがそのまま印象になります。

クロスマート株式会社の円グラフスライドです。年齢・性別・在住・未既婚の4枚を、すべて同じ直径・同じ塗りつぶし円でそろえています。色はオレンジの濃淡3段階と白のみ。見出しの下に引いたオレンジの罫線も4本とも同じ長さで、横に並べると表の見出し行のように見えます。円グラフでは表せない「平均年齢30.4歳」「お子様あり70%」は、1枚目と4枚目の下にオレンジの帯を敷いて別枠で処理。円の中に無理やり書き込まない判断です。

引用元:https://speakerdeck.com/ixyas/ikusiasuzhu-shi-hui-she-hui-she-shao-jie-zi-liao
イクシアス株式会社の円グラフスライドです。3枚とも緑1色の濃淡でそろえながら、左と中央はドーナツにして中央に「平均年齢31.9歳」「メンバー数55名」を置き、項目が7つに増える右の「職種」だけドーナツをやめて塗りつぶし円に切り替えています。穴を残したまま中身を空けるより、この判断のほうが整います。円と円のあいだは細い縦の点線1本で区切るだけ。数字は大きく、「名」「歳」の単位だけ小さくという書き方が3枚とも同じです。

引用元:https://speakerdeck.com/findyinc/findy-inc-dot-company-profile
ファインディ株式会社の円グラフスライドです。4つのデータを薄い青の角丸カードに1つずつ載せ、区切り線を1本も引かずに並べています。中途・新卒割合は97.8%対2.8%と差が極端なので、円の中には何も書かず下の凡例に数字を逃がす。いちばん右の男女比にいたっては円グラフをやめ、円形のバッジにイラストと「57.9%」を置くだけにしています。全部を円グラフにしなくてよい、という割り切りに一本取られました。
同じ形の円を2つ以上並べ、構成比がどう変わったか・変えていくかを見せる型です。1枚では言えない「シフトしつつある」という話を、図だけで伝えられます。

引用元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3662/tdnet/2499664/00.pdf
株式会社エイチームの円グラフスライドです。FY2018とFY2024の売上高構成比を、同じ直径・同じ開始角度のドーナツ2つで並べ、あいだにグレーの矢印を1本。青のスライスが同じ位置から始まっているので、50.3%から71.8%へ広がったことを目で追えます。凡例は2つの図で共有して下に1つだけ。そして中央に総額を入れてあるため、「比率は上がったが総額は376億円から239億円に減っている」という読み方までこの1枚でできてしまいます。

引用元:https://speakerdeck.com/akippa/for-engineers
akippa株式会社の円グラフスライドです。左が現在の部門別構成、右が短期的な目標という並び。実績と目標を並べるだけでは「で、どこを見ればいいのか」が伝わりませんが、右のプロダクト部門のスライスにだけ吹き出しを付け、「短期的には全体の25%を目指す」と書いてあります。図を2つ見せる理由が言葉になっている。中央の「52名」「57名」は数字だけ思い切って大きく、構成比のスライドでありながら人数のスライドも兼ねています。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20260326/140120260326589429.pdf
株式会社バルコスの円グラフスライドです。2026年・2027年・2028年の販路別売上構成を3つの円で並べ、年を追うごとに円の直径そのものを大きくしています。構成比だけでなく総額も伸びることを、1列の図で同時に見せる作り。淡いパステルの塗りと明朝体のラベルでそろえてあり、同じ円グラフでもだいぶ印象が変わります。ただし円は直径ではなく面積で大きさを感じる図なので、金額の厳密な比較まで担わせるのは向きません。あくまで「伸びていく」ことを示す演出として使う型です。
円グラフを図の1要素として扱い、写真・カード・別のグラフと組み合わせる型です。作るのに手間はかかりますが、事業ポートフォリオや市場規模のように「割合+説明」を1枚で済ませたいときに向いています。

引用元:https://www.sekisuihouse.co.jp/library/company/sustainable/download/2024/value_report/all.pdf
積水ハウス株式会社の円グラフスライドです。中央のドーナツは10項目に分かれていますが、その外側にもう1本細いリングを重ね、請負型・ストック型・開発型・国際という4つのビジネス群でくくり直しています。おかげで10分割の円が4つのかたまりに見える。左右には事業ごとの売上高と建物写真を振り分け、引き出し線の色は外側リングの色に合わせてあるので、線が長く伸びても対応関係を見失いません。円グラフがスライド全体の目次として働いている構成です。

引用元:https://www.mipox.co.jp/dcms_media/other/FinancialResultsBriefing_2Q_FY2025.pdf
Mipox株式会社の円グラフスライドです。内側のドーナツで7つのセグメントを塗り分け、外側の細いリングで「製品事業(青)」「受託事業(オレンジ)」の2つに束ねる二重構造。中央には売上高9,354百万円が入ります。左右に置いた説明カードの背景色を、それぞれ青とオレンジの淡い色にしてあるので、どちらの事業の説明かを読む前に判断できる。国内外比率のような2項目だけのデータは円にせず、下に横一本の帯で処理して主役と張り合わせていません。

引用元:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20250612588455/
株式会社スマレジの円グラフスライドです。左の円グラフ(サービス別の内訳)→中央の積み上げ棒(月額利用料67.1%と機器販売29.7%)→右の円グラフ(機器販売の販路内訳)と、形を変えながら3段階で掘り下げていきます。図と図のあいだは矢印ではなく、薄い水色の面でつなぐだけ。同じ円グラフを3つ並べるより、どこを分解したのかがはっきりします。各図の上には結論が先に書いてあるので、グラフを読む前に話が進みます。
今回は「円グラフ」の高品質なスライドを15つ紹介しました。全体量も一緒に伝えたいなら①中央に数字を置くドーナツ型、ひとつの割合を訴えたいなら②グレー+アクセント1色型、複数のデータを見せたいなら③小さな円を横並びにする型、変化を語りたいなら④構成比の変化を見せる型、説明ごと1枚にまとめたいなら⑤図解・写真と融合させる型。色を増やす前に、まず型を選ぶと迷いません。
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