記事更新日:2026年10月07日
記事公開日:2026年10月07日
白・黒・グレーだけで作るモノトーンのスライドは、色選びに迷わずに済む反面、気を抜くと「地味」「未完成っぽい」で終わってしまう配色でもあります。
ところが実際の会社紹介資料やIR資料を並べてみると、同じモノトーンでも見え方はまったく違います。うまくいっている資料は、白と黒のどちらを主役にするのか、写真や差し色をどこまで入れるのかを、最初に1つの型として決めているからです。
この記事では、スラデザに集まったモノトーンのスライドを5つの型に分け、実在企業のスライド14枚とあわせて解説します。すべて実際の会社紹介資料・IR資料から集めたスライドです。
「もっといろんなモノトーンのスライドを見たい!」と言う方は、モノトーンのスライドデザイン一覧もご覧ください。
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モノトーンのスライドを大量に見比べると、グレーの濃さの違いよりも先に、黒をどれだけの面積で使うかと、白黒以外の要素(写真・差し色)を入れるかどうかで作りが分かれます。まずは5つの型を整理しておきます。
| 型 | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ① 白×グレーの濃淡で組む | 情報量の多い図解を整理して見せる | 事業構成図・制度説明・本文ページ |
| ② 黒背景で言葉を立たせる | 短い言葉を強く印象づける | ミッション・カルチャー・中表紙 |
| ③ 黒い面で画面を割る | 白黒のコントラストで構図をつくる | 表紙・章扉・サービス一覧 |
| ④ モノクロのビジュアルを敷く | 写真や質感で世界観を出す | 製品紹介・サービス紹介・中表紙 |
| ⑤ モノトーン+差し色1色 | 見てほしい1か所に視線を集める | 戦略・市場規模・ミッション体系 |
最も基本になる型です。背景を真っ白ではなく薄いグレーにして、その上に白の面とチャコールの面を重ねていきます。色を足さずに「面の明るさ」だけで階層をつくるので、図解の多い本文ページでも散らかりません。

引用元:https://speakerdeck.com/route06/route06-companydeck2025
ROUTE06のモノトーンのスライドです。薄いグレーの背景に、3つのサービスをチャコールの見出しバーで並べた図解です。左側は「Solution」という大きな英字と日本語の説明だけで、細い縦線を挟んで右側に図を置いています。
面白いのは箱の塗り分けで、自社プロダクトの「Acsim」「Giselle」「Liam」だけがチャコールの塗りに白文字、v0・Cursor・Vercel・Supabaseといった外部ツールは白い箱に黒文字になっています。色は一切使っていないのに、どれが自社の製品なのかがひと目でわかります。フッターの「ROUTE06」「COMPANY DECK」は等幅フォントで小さく入れてあり、ここも装飾をグレーの文字だけで済ませています。

引用元:https://speakerdeck.com/suisei2015/suisei-dot-inc-company-deck
SUISEIのモノトーンのスライドです。人事制度の評価体系を説明したスライドです。薄いグレーの背景に白の角丸カードを2枚並べ、「目標達成度評価」と「期待行動評価」をそれぞれ中央に置いています。
カードに影も枠線もなく、背景との明るさの差だけで形が見えています。文字はすべて同じチャコールで、見出しと説明は太さとサイズだけで分けています。右上には「ホテル事業部」というラベルが、画面の右端にくっついたタブの形で付いていて、どの部署向けのページかがすぐにわかります。
背景を黒にして、白い文字を主役にする型です。図やアイコンを足さなくても1ページが持つので、ミッションやカルチャー、章の区切りなど言葉そのものを読ませたいページによく使われています。

引用元:https://speakerdeck.com/helloinc/company-deck
ハローのモノトーンのスライドです。カルチャーを3つの言葉で示したスライドです。真っ黒ではなく少しグレーを含んだ黒の背景に、「仕事を、遊ぼう。」「摩擦を、楽しもう。」「常識を、はみだそう。」の3行を太い白文字で大きく置いています。
それぞれの下には2行の説明が入っていますが、こちらは細いウェイトで字間を広めにとっていて、見出しとの差がはっきりしています。右端には細い縦線と縦書きの「About Us」があり、資料の中のどの章にいるのかを示しています。文字の左端は画面の中央よりやや左にそろえてあり、左側の余白が大きく残っています。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20250624/140120250612588829.pdf
QDレーザのモノトーンのスライドです。事業計画資料の中表紙です。黒の背景に、細い線の「01」を画面の高さの半分ほどまで大きく置き、「0」の左側は画面の外にはみ出させています。
一方で章タイトルの「事業の概要」は右寄りに小さく置かれているだけで、大きな数字と小さな見出しのサイズ差がそのまま緊張感になっています。下部には白の細い罫線と社名ロゴが入っていて、黒一色の画面に区切りをつけています。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20260327/140120260326590332.pdf
AVILENのモノトーンのスライドです。パーパスを1行で示したスライドです。黒に近い背景の四隅から、背景よりわずかに明るいグレーで鱗のような模様が広がり、中央だけがぽっかり空いています。
その空いた部分に、白の細いウェイトで「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」が置かれています。上の「Purpose」には短い下線が引かれていて、ここだけがベージュ系の色です。模様も文字も主張を抑えていて、黒の中に奥行きが出ています。
白地の中に黒い面を大きく入れて、画面を割る型です。②の黒背景と違って白の面積も大きく残るので、白と黒のコントラストそのものが構図になります。表紙や章扉に使うと、資料全体の印象を決められます。

yutoriのモノトーンのスライドです。決算説明資料の章扉です。画面の左3割ほどを黒の帯にして章番号の「1」を白で大きく置き、右側の白地に「2024年3月期 通期業績実績」を太い黒文字で置いています。
右下には社名ロゴの形が薄いグレーで大きく敷かれていて、画面の外まで続いています。黒の帯・白地・薄いグレーの透かしという3段階の明るさだけで構成されていて、IR資料の章扉でも硬くなりすぎていません。

引用元:https://speakerdeck.com/fourdigit/company-profile
FOURDIGITのモノトーンのスライドです。提供サービスを6つ並べたスライドです。白地の左上に太い英字で「Service」を大きく置き、右上の角には黒い円弧の面が画面の外からはみ出すように入っています。
6つのサービスにはそれぞれイラストが付いていますが、すべて白黒の網点(ハーフトーン)で描かれていて、カラーのアイコンは1つもありません。サービス名は太い英字、説明は細い日本語の2行で統一されていて、2列×3段の並びがきれいにそろっています。

引用元:https://speakerdeck.com/diniiofficial/dinii-company-deck-ver-dot-1-0-2024
ダイニーのモノトーンのスライドです。会社紹介資料の表紙です。チャコールの縦長の面を3枚、白い隙間を挟んで並べ、中央の面に白いロゴを置いています。左の面だけは右下がページをめくったように曲がっています。
3本の柱が並ぶ構図は、ロゴマークの3本の縦長の形と同じです。画面の下は白い帯になっていて、「COMPANY DECK」「Dinii Inc.」と版数・日付、右端の「株式会社ダイニー 会社紹介資料」がこの帯に集められています。
写真やグラフィックをモノクロ(グレースケール)にして、画面に大きく敷く型です。白黒の文字や図だけのページより質感や空気感を出せるので、製品やサービスの紹介ページ、中表紙で使われています。

引用元:https://speakerdeck.com/anker_jp/anker-japan-corporate-deck-2026
Anker Japanのモノトーンのスライドです。製品紹介のスライドです。グレーのグラデーションの背景に、高さの違う白い円柱の台座を3つ置き、その上に黒とグレーのロボット掃除機を並べています。
文字は下部の黒い帯にあるコピーライトとページ番号だけで、写真1枚でページが成立しています。製品自体が黒・グレーなので、背景をグレーに、台座を白にすることで、写真全体がモノトーンでまとまっています。中央の台座を一番高くして、3台が三角形に並ぶ構図です。

引用元:https://speakerdeck.com/upsider_official/upsider-culture
UPSIDERのモノトーンのスライドです。法人カード「PRESIDENT CARD」を紹介したスライドです。左側の白地にサービス名と説明・箇条書きを置き、右側は斜めの線で区切ったグレーのグラデーションの面になっています。
右側には、銀色のカードが手のひらの上に浮かんでいる写真が入っています。手と袖の写真はモノクロに加工されていて、銀色のカードの色と自然になじんでいます。斜めの境界線のおかげで、左の文字の面と右の写真の面が四角く分かれず、画面に動きが出ています。

引用元:https://speakerdeck.com/layerx/company-deck
LayerXのモノトーンのスライドです。事業ごとの中表紙です。画面全体にグレーの波のような抽象的なグラデーションを敷き、左上に白の太い文字で「Fintech事業」を大きく置いています。
写真は使っていませんが、明るいグレーと暗いグレーがなめらかにうねっていて、平らな背景よりも奥行きがあります。ロゴも白で、画面の中に白とグレー以外の要素がありません。下部にはページ番号と「Fintech事業」の文字が小さく入っています。
白・黒・グレーを土台にして、1色だけ差し色を加える型です。ほかがすべて無彩色なので、差し色を置いた場所に視線が集まります。差し色にはコーポレートカラーを使うのが基本です。

引用元:https://corporate.jp.sharp/ir/event/policy_meeting/pdf/25meeting_j.pdf
シャープのモノトーンのスライドです。中期経営計画の中で、目指す方向性を示したスライドです。淡いグレーのピラミッドを3段に重ね、上から「Our Mission」「Business Domain」「Strength」を置いています。
差し色の赤はロゴと同じ色で、使っているのは3段の見出しラベルと、上部のコピーの「“新しい文化”」の部分、ヘッダー左端の小さな帯だけです。中段の「暮らす & 働く」はチャコールの塗りに白文字、下段の3つの強みは白い箱に黒の枠線で、赤以外はすべてモノトーンで描かれています。

引用元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/5618/tdnet/2395457/00.pdf
ナイルのモノトーンのスライドです。事業戦略を示したスライドです。薄いグレーの背景に白い面を2段に敷き、上段にチャコールの業界の箱を5つ、下段に点線の箱を並べています。
差し色の蛍光グリーンは、横に伸びる太い矢印「様々な産業を横断して事業者のDX課題を探索・発見し、解決を支援」と、下段の帯「特定産業を深掘りすることで産業のDXを推進」、タイトル左の縦線に使われています。まだ参入していない業界は「●●業界」と点線の箱で描かれていて、すでにある事業とこれからの事業が色と線の種類で分かれています。自動車産業DX事業の箱だけはサービスのアイコンが入っています。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20260325/140120260325589039.pdf
フツパーのモノトーンのスライドです。対象市場の大きさを示したスライドです。背景には工場の写真がモノクロで、白をかぶせたように薄く敷かれています。
その上に白い帯で見出しを置き、「国内最大の産業」と「テクノロジーで解決」の2か所だけをオレンジにしています。「34万社」「387兆円」「880万人」の3つの数字のカードは、見出しのバーと細い枠線がオレンジ、数字そのものは太い黒です。左上の章ラベル「04|課題解決と市場」もオレンジで、写真以外の色はオレンジ1色に絞られています。
今回は「モノトーン」の高品質なスライドを14つ紹介しました。
並べてみると、モノトーンのスライドは「色を使わない」だけでは決まらないことがわかります。白地にグレーを重ねるのか、黒を背景にするのか、黒い面で画面を割るのか、モノクロの写真を敷くのか、差し色を1色だけ足すのか。白と黒の面積と、白黒以外の要素をどこまで入れるかを先に決めている資料ほど、まとまって見えます。
1つの資料の中でも、表紙は「黒い面で画面を割る」、章扉は「黒背景」、本文の図解は「白×グレーの濃淡」、強調したい戦略ページだけ「差し色1色」というように、ページの役割ごとに型を使い分けると全体が整います。迷ったら、まず本文ページを「白×グレーの濃淡」で固めるところから始めてみてください。
まだもう少し別のデザインを見たい!と言う方は、モノトーンのスライドデザイン一覧も参考にしてみてくださいね。
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