記事更新日:2026年08月22日
記事公開日:2026年08月22日
資料の色に迷ったら、とりあえず青。ビジネス資料でもっとも使われている色でありながら、「青を使った」だけで良く見えるわけではないのが難しいところです。
実際に高品質なスライドを並べてみると、うまくいっている資料は「青をどれくらいの面積で、どういう役割に使うか」がはっきり決まっています。逆に、なんとなく青くしただけの資料は、同じ青でも濁って見えてしまいます。
この記事では、青の使い方を5つの配色パターンに分けて、それぞれの特徴と使いどころを実在企業のスライド15枚とあわせて解説します。すべて実際の会社紹介資料・IR資料・ブランドブックから集めたスライドです。
「もっといろんな青のスライドを見たい!」と言う方は、青のスライドデザイン一覧もご覧ください。
\ もっと見たい方はこちら /
青系のスライドを大量に見比べていくと、色の違い(紺・青・水色)よりも先に、青がスライドの何割を占めているかで作りが分かれることが見えてきます。
白地に青をひとつまみだけ置く資料と、背景全面を紺で塗る資料では、必要になる技術も、向いている場面もまったく別物です。この記事では次の5パターンに整理しました。
| パターン | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 白地×青アクセント | 情報量が多くても読ませる | 提案書・サービス紹介・IRの本文ページ |
| 濃紺・青ベタ | ページの空気を変えて引き締める | 表紙・中表紙・目次・ビジョン |
| 青のグラデーション | 先進性や広がりを出す | 表紙・ブランドブック・製品コンセプト |
| 青の濃淡で階層化 | 数字の主役を1つに決める | グラフ・市場規模・KPI |
| 青×差し色 | 1点に視線を集める | 決算資料・KPI・カルチャー |
それぞれ最初に紹介するのが、そのパターンのもっとも基本的な作り方です。2枚目以降で応用や変化球を見ていきます。
もっとも汎用性が高く、失敗しにくいのがこのパターンです。背景は白のまま、青は「ここを見てほしい」という場所にだけ置きます。
文字量の多いページでも読みやすさが落ちないので、提案書やサービス紹介資料の本文ページはこの型が基本になります。

引用元:https://speakerdeck.com/rakko/introduction
ラッコキーワードの青のスライドです。白地に黒の大見出しという構成のなかで、「3つの理由」の部分だけを青の文字と淡い青のマーカーで処理しています。青を使っているのは、この見出しの一部と、3つの丸バッジ、そして各項目の小見出しだけ。本文はすべて黒のままです。
使っている青も、丸バッジのしっかりした青と、マーカーの淡い青の2トーンに絞られています。青の種類を増やさないことが、このシンプルさを支えています。

引用元:https://speakerdeck.com/coneinc/cone-inc-hui-she-shao-jie-zi-liao-cai-yong-pitutizi-liao
CONEの青のスライドです。3つの円のうち、主役である自社サービスの円だけを青でベタ塗りにし、両側の登場人物は白地に青の輪郭線だけで描いています。同じ図形でも、塗るか線だけかで主従がはっきりします。
もうひとつ効いているのが、情報の流れを示す矢印をグレーの細線に落としている点です。青が線にまで広がっていないので、視線が中央の円から動きません。

PhotosynthのKPIを並べた青のスライドです。6つの指標を並べたページですが、青を使っているのは数値だけ。「ARR」「Churn Rate」といった項目名はすべて黒で、区切りの罫線もごく薄いグレーです。
数字だけが青いので、ページをざっと見たときに6つの数値が先に頭に入ります。「億円」「%」といった単位を小さくして数字本体を大きく取っているのも、同じ狙いの処理です。
背景を丸ごと青で塗るパターンです。白地のページが続くなかに挟むと、そこで資料の空気が変わります。
ただし情報量を載せると読みにくくなるので、表紙・中表紙・目次・ビジョンなど、要素の少ないページに向いています。

引用元:https://speakerdeck.com/so_kotani/crisp-code-inc-portfolio-zhi-zuo-shi-ji
Crisp Codeの青のスライドです。背景は濃紺一色、文字は白のみ。装飾は左から下へ抜ける細い斜線が1本だけという、これ以上引けないところまで削った目次ページです。
その代わりに手を入れているのが文字の置き方で、項目が下に行くほど少しずつ右にずれています。斜線と揃えた階段状の配置が、色数ゼロのまま動きを作っています。

引用元:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20250612588455/
スマレジの長期ビジョンを示した青のスライドです。紺ではなく中くらいの明るさの青を背景に敷き、文字はすべて白抜き。「VISION 2031」を極太の欧文で最大サイズに置き、日本語のメッセージ、補足の順に3段階で文字を小さくしています。
背景も完全な単色ではなく、中央がわずかに明るくなるようにグラデーションが入っています。塗りつぶし一色だと平坦になりがちな中明度の青を、この弱いグラデーションが救っています。

引用元:https://speakerdeck.com/assuredjp/assured-company-deck
Assuredのビジョンを掲げた青のスライドです。ここまでの2枚がゴシック体だったのに対し、こちらは見出しを明朝体の白抜きで置いています。濃紺の重さと明朝の細い線が釣り合って、落ち着いた印象にまとまっています。
右側のダイヤ形は塗らずに白い細線だけで描かれ、中に星を3つ。文章を左半分にまとめ、グラフィックを右に寄せる分担がはっきりしているので、長文でも窮屈になっていません。
青は明度の幅が広いので、グラデーションと相性のいい色です。単色のベタ塗りより奥行きが出て、先進性やスケール感を出したい場面で使われます。
一方で、いろいろな色を混ぜると一気に安っぽくなります。うまくいっている資料は、混ぜる色数をかなり厳しく制限しています。

引用元:https://jpn.nec.com/ir/pdf/library/241007/blustellar.pdf
NECのサービス説明資料の表紙となる青のスライドです。使っている色は青だけ。中央が濃く、外側にいくほど明るくなるぼかしを全面に敷いただけの表紙ですが、これだけで十分に成立しています。
注目したいのは文字の位置で、サービス名も日付も、背景が濃くなっている左側に置かれています。明るい部分に白文字を重ねると読みづらくなるので、グラデーションの濃淡を見て文字の居場所を決めているわけです。

引用元:https://speakerdeck.com/yayoi_hr/yayoi-company-deck
弥生のメッセージを載せた青のスライドです。NECが背景全面を塗っていたのに対し、こちらはグラデーションを大きな弧の帯にして、中央から右にかけて白地を残しています。文字が乗る場所を白のまま確保しているので、これだけ文章量があっても読めます。
右下の3本の矢印は、濃紺・青・水色と濃さを変えた同じ形の繰り返しです。形を揃えて色の濃さだけを変えると、賑やかにせずにリズムが出せます。

引用元:https://speakerdeck.com/tomomifuruya/srush-corporate-culture
Srushのミッション・ビジョンを表した青のスライドです。ブランドブックという性格もあって、ここまでの2枚とは振れ幅が違います。濃紺から明るい青まで広くとったグラデーションを背景に、発光するシアンのワイヤーフレームで船を描くという構成。ここまでやりきると、もはや資料というよりキービジュアルです。
それでも読みにくくならないのは、光らせている要素を船と左上の星の2つに絞っているから。ラベルを結ぶ引き出し線は白の極細で、発光と競わないように処理されています。
グラフや図解で複数の色を使うと、どこを見ればいいのかわからなくなります。青は明度の幅が広いので、色を増やさずに濃さだけで主従をつけることができます。
数値を扱うページでは、この使い方がもっとも実用的です。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20260331/140120260331594346.pdf
ブロードエンタープライズの業績を示した青のスライドです。16本並んだ棒のうち、最新の1本だけが濃い青で、残りはすべて淡い水色。数値ラベルも同じルールで、直近の「10,293」だけが濃い青の大きな文字になっています。
棒の色と文字の色に同じルールを通しているので、どこを見ればいいのかを説明されなくてもわかります。四半期がこれだけ並んでいても迷子にならないのは、この徹底のおかげです。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20250623/140120250623596610.pdf
Rebaseの市場規模を示した青のスライドです。市場全体・対象市場・自社の3階層を入れ子の円で表し、外側から順に淡い水色・中間の青・濃い青と濃さを上げています。包含関係が色の濃さの順番と一致しているので、図の読み方に迷いません。
文字色も背景の濃さに合わせて切り替えられています。濃い円の上は白、淡い円の上は黒。同じ図の中で文字色を混在させても、ルールが明確なら散らかりません。

引用元:https://speakerdeck.com/lapras/lapras-company-profile
LAPRASのユーザー数推移を示した青のスライドです。前の2枚が棒ごとに色を変えていたのに対し、こちらは1本ずつの棒の中に、上が水色・下が濃紺のグラデーションを入れています。単色の棒より奥行きが出て、本数が多くても単調になりません。
吹き出しの使い分けも参考になります。過去の出来事は濃紺、直近の達成は水色と色を変えることで、注釈が3つあっても時系列が読み取れるようになっています。
最後は、青にもう1色を組み合わせるパターンです。黄色やオレンジといった反対側の色を少しだけ足すと、青一色では作れない強さが出ます。
ポイントは分量で、差し色の面積を増やすほど散らかっていきます。うまい資料ほど、差し色を驚くほど小さく使っています。

タイミーの年次KPI推移を示した青のスライドです。3つのグラフの棒はすべて同じ鮮やかな青1トーン。黄色を使っているのは、各グラフ名の左にある小さな縦バーと、ページ上端の細いラインだけです。
この縦バーがあるおかげで、3つのグラフの見出しが本文より先に目に入ります。面積としてはページの1%にも満たないのに、区切りの役割を果たしています。

引用元:https://www.sigmaxyz.com/ja/ir/news/auto_20250502530516/pdfFile.pdf
シグマクシス・ホールディングスのキャッシュフローを示した青のスライドです。ウォーターフォールチャートという要素の多い図ですが、色は3色しか使っていません。増加要因が青緑、減少要因と補助がグレー、期首と期末の残高がオレンジです。
グレーの分量がいちばん多いことが、この図の読みやすさを支えています。脇役を思い切って無彩色にしているので、青緑とオレンジの2色が少ない面積でも立ち上がります。

引用元:https://speakerdeck.com/stract/stract-company-deck
STRACTの表紙となる青のスライドです。ここまでの2枚が差し色を絞っていたのに対し、こちらは青と黄をほぼ同じ量で使っています。それでも散らからないのは、背景がほぼ黒に近い濃紺だから。無彩色に近い地の上では、2色を同量で置いても濁りません。
加えて、パターンは右半分だけに置き、文字のある左半分は黒のまま空けています。ロゴの青と黄をそのまま拡大してパターンにするという発想も、そのまま真似できる手です。
今回は「青」の高品質なスライドを15つ紹介しました。
あらためて並べてみると、どのスライドも「青をどこに、どれくらい使うか」を先に決めてから作られていることがわかります。色そのものより、面積と役割の設計が結果を分けています。
| パターン | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 白地×青アクセント | 情報量が多くても読ませる | 提案書・サービス紹介・IRの本文ページ |
| 濃紺・青ベタ | ページの空気を変えて引き締める | 表紙・中表紙・目次・ビジョン |
| 青のグラデーション | 先進性や広がりを出す | 表紙・ブランドブック・製品コンセプト |
| 青の濃淡で階層化 | 数字の主役を1つに決める | グラフ・市場規模・KPI |
| 青×差し色 | 1点に視線を集める | 決算資料・KPI・カルチャー |
1つの資料の中でも、本文ページは「白地×青アクセント」、中表紙は「濃紺・青ベタ」、グラフは「青の濃淡で階層化」というように、ページの役割ごとに型を使い分けると全体がまとまります。
まだもう少し別のデザインを見たい!と言う方は、青のスライドデザイン一覧も参考にしてみてくださいね。
\ もっと見たい方はこちら /
ページ
事業内容