記事更新日:2026年10月19日
記事公開日:2026年10月19日
「導入前はこうだったのが、導入後はこう変わる」。ビフォー・アフターのスライドは、サービス紹介や導入事例、IR資料の成長戦略まで、変化をひと目で納得してもらいたい場面で必ずと言っていいほど登場します。
ところが実際の資料を並べてみると、同じビフォー・アフターでも作り方ははっきり分かれます。左右に並べるのか、上下に積むのか、項目ごとに対応させるのか、数字で言い切るのか。何を比べたいかによって、向いている型が違うからです。
この記事では、スラデザに集まったビフォー・アフターのスライドを4つの型に分け、実在企業のスライド12枚とあわせて解説します。すべて実際の会社紹介資料・IR資料から集めたスライドです。
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ビフォー・アフターのスライドを大量に見比べると、配色より先に、BeforeとAfterをどの向きに並べるかと、変化を図で見せるか、言葉や数字で見せるかで作りが分かれます。まずは4つの型を整理しておきます。
| 型 | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ① 左右に並べる | 同じ図を2つ並べ、違う部分を見つけてもらう | サービス概要・プロダクト紹介・コンセプト |
| ② 上下に積む | 横に長い業務フローや時間の流れを比べる | 業務改善・AI活用・導入事例 |
| ③ 項目ごとに対応させる | 立場や論点ごとの変化を漏れなく示す | 組織変革・導入事例・技術の比較 |
| ④ 数字と事例で成果を見せる | 変化の大きさを数字で言い切る | 導入効果・顧客事例・営業資料の後半 |
最も基本になる型です。左にBefore、右にAfterを置き、間に矢印を挟みます。読む順番と時間の流れが一致するので、説明がなくても「左から右へ変わった」と伝わります。左右で同じ図の骨組みを使い、違う部分だけを描き変えるのがポイントです。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20250625/140120250625598827.pdf
CYNDのビフォー・アフタースライドです。美容室向けサービス「BeautyMerit」の導入前と導入後を左右に並べています。顧客から店舗、5つの集客サイトへとつながる図は左右でまったく同じ形で、違うのは真ん中だけです。導入前は「手動入力」のグレーのラベル、導入後はBeautyMeritの画面と赤い「一括反映」のラベルに置き換わっています。見出しの帯も導入前はグレー、導入後は紺で、どちらが改善後の状態かが色だけで分かります。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20260327/140120260327591314.pdf
網屋のビフォー・アフタースライドです。ログ管理製品「ALog」の紹介です。左のBeforeは4つのパネルに、積み上がったサーバーや散らばった書類、複数の管理者のイラストを詰め込み、全体をグレーで塗っています。下には「ログの調査は 数日作業…」と一言。右のAfterはブランドの緑で、ログが「収集→変換→整理→集計」と漏斗のように絞り込まれていく図です。中央の大きな矢印も緑のグラデーションで、色の変化そのものが改善を表しています。

引用元:https://speakerdeck.com/asobica/company-deck-288ce65d-aea4-428c-84b4-d1701cf98c92
Asobicaのビフォー・アフタースライドです。左右の背景をグレーと淡い黄色で塗り分け、それぞれの隅に「Before」「After」の大きな英字を透かしのように置いています。左は企業のビルから3人の顧客へ一方向の矢印、右は企業と顧客を同じ大きさの円で重ね、双方向の矢印でつないでいます。下には「顧客 = 消費する存在」「顧客 = 価値創造のためのパートナー」と、書き出しをそろえた一文を並べています。
上にBefore、下にAfterを積む型です。横幅をまるごと使えるので、工程が横に長く続く業務フローや、時間の流れを比べたいときに向いています。左右に並べる型より、1段あたりに多くの情報を載せられます。

引用元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/5574/tdnet/2379806/00.pdf
ABEJAのビフォー・アフタースライドです。三菱ガス化学の導入事例で、配管の検査工程を上下に並べています。上の「従来のプロセス」はグレーのラベルで、撮影した写真がエクセルに集まり、人が目視で確認する流れです。下の「導入後のプロセス」は紺のラベルにABEJA Platformのロゴを置き、写真がデータベースに蓄積されてAIが要注意箇所を指摘する流れに変わっています。それぞれの下には「時間軸」と「人の負担」の帯があり、導入後は人の負担の帯がピンクの「AIの精度」に斜めに置き換わっていきます。

引用元:https://speakerdeck.com/layerx/bakuraku-engineering-team-deck
LayerXのビフォー・アフタースライドです。経理業務を自動化する「バクラクAIエージェント」の紹介で、スライドの左に大きなメッセージ、右に上下のビフォー・アフターを置いています。上は「下旬 申請不備・遅延」「月末 処理待ち」と困っている人物のイラスト、下は同じ「下旬」「月末」のラベルのまま「バクラクで自動化」「処理済み」に変わり、人物も笑顔になっています。上下の間は青い下向きの三角だけで、それぞれの下の帯に「分析・アクションに時間を割けない」「分析・アクションに時間を使える」と結論を書いています。

引用元:https://www.release.tdnet.info/inbs/140120260325588954.pdf
AnyMind Groupのビフォー・アフタースライドです。マーケティング事業の提案業務について、AI活用前と活用後のプロセスを上下に並べています。上は「商談」から「顧客提案」までの間に「要件整理」「市場調査」など6つの工程が矢羽根で並び、工程ごとに担当者のアイコンが付いています。下では、その6つが1本の長い矢羽根にまとめられ、AIのアイコンと自社データの説明に置き換わっています。上の「課題」はグレーの囲み、下の「結果」は赤い枠で囲み、結論の重みを変えています。
変化を「立場ごと」「論点ごと」に分けて、BeforeとAfterを1対1で対応させる型です。表のように行と列がそろっているので、変化が複数あっても漏れなく比べられます。組織変革や技術の比較のように、一言では言い表せない変化に向いています。

引用元:https://speakerdeck.com/mento0fficial/mento-company-deck
mentoのビフォー・アフタースライドです。マネジメント支援サービスの価値を、「マネージャー」「メンバー」「チーム全体」の3つの立場に分けて見せています。左のBeforeはグレーの半透明のカード、右のAfterは淡い青のカードで、同じ立場が同じ高さに並んでいます。見出しの「Before」「After」は文字の色と上の細い線の色だけで区別していて、矢印は使っていません。背景には水彩のような質感を薄く敷いています。

引用元:https://speakerdeck.com/loglass2019/about-corporate-planning
ログラスのビフォー・アフタースライドです。システム開発企業の導入事例で、左端に黒い「ASIS(Loglass導入前)」と青い「TOBE(Loglass導入後)」のラベルを縦に並べています。上の段には「現場の悩み」として3つの課題を人物のイラストつきで並べ、青い下向きの三角を挟んで、下の段にそれぞれの解決策を青い文字で書いています。下の段には管理画面やグラフの図を添え、解決後の状態を具体的に見せています。

モベンシスのビフォー・アフタースライドです。工場の生産設備を動かす制御の仕組みが、PLCからIPC(産業用PC)へ移っていることを説明しています。紺の背景に、左は「これまで」「これから」の2つの箱を緑のグラデーションの矢印でつないで要点を一言で示し、右に「機能追加」「柔軟性」「データ活用」「調達リスク」「拡張性」の5項目で比べた表を置いています。表の見出しは「PLC制御」がグレー、「IPC制御」がティールで、新しいほうの列だけに色を付けています。
導入事例や効果の紹介で使われる型です。図で変化を描くより、「何が・どれだけ変わったか」を数字や実在の顧客名で言い切ることを優先します。営業資料の後半で、検討中の相手に「自分たちにも起こりそうだ」と思ってもらいたいときに向いています。

クロスマートのビフォー・アフタースライドです。受発注サービス「クロスオーダー」の効果を、「FAX受信件数」「留守電件数」「受注スタッフ数」の3つの棒グラフで見せています。導入前の棒は薄いオレンジ、導入後の棒は濃いオレンジで、2本の棒の間を薄い面でつないで減った量を示しています。それぞれの上には「60%削減!」「80%削減!」「70%削減!」の吹き出しを置き、数字をいちばん大きく扱っています。

引用元:https://speakerdeck.com/malna/malna-recruiting-pitch
malnaのビフォー・アフタースライドです。ジョーシスの支援事例で、上段に顧客のロゴと支援内容、下段に「導入前の課題」と「導入後の効果」を左右に並べています。導入前の課題は濃いグレーで塗った箱に白い文字、導入後の効果は白地に紺の枠線の箱で、業績の棒グラフと「獲得CPA -40%」のドーナツグラフを添えています。間には紺の三角を1つだけ置いています。

引用元:https://speakerdeck.com/helloinc/company-deck
ハローのビフォー・アフタースライドです。オイシックス・ラ・大地の導入事例です。黒い背景の上に白い帯を置き、顧客のロゴと「月間5,000件の督促電話を自動化し、スタッフの精神的負担を解消」という結論を先に見せています。その下は左に「課題」、右に「導入効果」を並べ、間に白い三角を挟んでいます。課題には「物理的限界」「精神的負担」などの枠線だけのタグ、導入効果には「月間5,000件架電」「工数削減」などの青く塗ったタグを並べ、同じ形のタグで塗りの有無だけを変えています。
今回は「ビフォー・アフター」の高品質なスライドを12つ紹介しました。
並べてみると、ビフォー・アフターのスライドは配色やイラストの上手さよりも、BeforeとAfterで何をそろえ、何だけを変えるかで分かりやすさが決まっています。図の骨組みをそろえて違う部分だけを描き変える、時間や立場のラベルを左右・上下で同じにする、Beforeをグレー・Afterをブランドカラーにする。どの型でも、この「そろえて、変える」が共通していました。
迷ったら、まず左右に並べる型で作ってみてください。工程が横に長ければ上下に積む型、変化が複数あれば項目ごとに対応させる型、成果の数字がそろっていれば数字で見せる型、と内容に合わせて切り替えると選びやすくなります。
まだもう少し別のデザインを見たい!と言う方は、ビフォー・アフターのスライドデザイン一覧も参考にしてみてくださいね。
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