記事更新日:2026年08月06日
記事公開日:2026年08月06日
会社紹介資料でも提案資料でも、必ず一枚は入るのが「課題」のスライドです。ここで相手が「たしかに困っている」と頷いてくれるかどうかで、そのあとのソリューションの説得力が決まります。
この記事では、スラデザに集まった実在企業の課題スライドから12枚を選び、見せ方の「型」ごとに紹介します。自分がいま作りたいスライドに近い型から読んでください。
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241枚の課題スライドを並べて見ると、見せ方はおおむね4つの型に収まります。まずは自分の目的に近い型を選んでください。
| 型 | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| カード列挙型 | 複数の課題を優劣なく並列に整理する | 課題が3つ前後あり、順番に説明していきたいとき |
| 対比型 | 現状とあるべき姿の落差を一目で見せる | 自社サービスの導入前後を語りたいとき |
| グラフ・数字型 | 課題が思い込みでなく事実だと裏づける | 投資家向け・社外向けで根拠を求められるとき |
| 共感型 | 読み手に「自分のことだ」と思わせる | 資料の冒頭で相手を引き込みたいとき |
いちばん使用頻度が高い型です。課題を3つ前後に絞り、同じ大きさのカードに入れて横に並べます。並列に置くこと自体が「これで全部です」という宣言になります。

引用元:https://speakerdeck.com/salesmarker/culturebook
Sales Markerの課題スライドです。カード列挙型のお手本と言える一枚。「Problem 01/02/03」という英字+数字のラベルをカードの上に飛び出させ、その下に課題の見出し、イラスト、補足文と、3枚とも寸分違わぬ順番で情報が積まれています。使っている色は紺・グレー・白の3色だけ。イラストまでグレースケールに落としているので、読者の視線は太字の課題文だけに集まります。

引用元:https://speakerdeck.com/loglass2019/about-corporate-planning
ログラスの課題スライドです。同じカード列挙型でも、こちらはカードの枠線を使わず、細い縦罫線だけで3つを仕切っています。目を引くのは課題の名前で、「『正解』の不在」「データの分断」「『表計算ソフト』の沼」と、状況をそのまま説明せず短い名詞に言い切っています。イラストも名前と呼応していて、分断は切れた鎖、沼は表計算ソフトが沈みかけた影で描かれています。見出しの下に引かれた赤い短い線が、3列のリズムを揃える役目をしています。

引用元:https://speakerdeck.com/ivry/ivry-culture-deck
IVRyの課題スライドです。カードの中身をイラストでも図でもなく、丸い顔のアイコン3つにしています。汗をかいた困り顔、目を丸くした驚き顔、無表情。「業務を圧迫」「機会損失」「顧客体験の悪化」という3つの見出しの温度差が、読む前に表情で伝わります。カードは薄いグレーの角丸で、境界線を持たせずに背景の白から浮かせる程度に留めているのも軽さにつながっています。
左に現状、右にあるべき姿を置いて、その落差を課題として見せる型です。自社サービスが何を変えるのかを同時に語れるので、課題スライドとソリューションスライドを1枚に圧縮できます。

引用元:https://speakerdeck.com/hopin/whats-dx
Hopinの課題スライドです。「Before」「After」とだけ書かれた薄い青のパネルを2つ並べた、対比型のもっとも素直な形。中身は文章ではなく線と丸だけの図で、Beforeは4つのニーズと4つのブランドが交差しながら雑に結ばれ、Afterでは左右のニーズとサービスが中央の青い丸に集まって放射状に整理されています。線の絡まり具合の差だけで「精密にマッチングできていない」という課題が伝わります。

引用元:https://speakerdeck.com/monotaro/monotaro-cai-yong-shao-jie-zi-liao-for-engineers
MonotaROの課題スライドです。業界の流通構造図をそのまま左右に並べています。左は「複雑・不透明・不公平」の見出しで、工場から1次卸・仲卸・小売を経てユーザーへ向かう線が何重にも折り重なり、その中間をグレーの帯で覆って「ブラックボックス化しがち」と縦書きでラベルを貼っています。右は同じ配置のまま線が減り、自社の赤いブロックが中間を1本で貫きます。見出しの色も左は黒、右は赤で、どちらが主張なのかが即座に分かります。

引用元:https://speakerdeck.com/caddi_eng/caddi-top-mgmt
キャディの課題スライドです。「現状」と「キャディが作る世界」を、業務フローごと左右に並べています。上下に「顧客」「加工会社」の帯を置き、その間の工程を左は見積依頼から納期・品質対応まで7つのシェブロン(矢羽根)で刻み、右は4つのプロダクト機能に置き換えています。左のフローには頭を抱える人と困り顔の担当者のイラストが添えられ、右では同じ位置にPC画面のイラストが入ります。人が疲弊している絵が、そのまま課題の説明になっています。
「課題があります」と言い切るだけでは、聞き手は「本当に?」と身構えます。公的統計や調査データを引いて事実として置くのがこの型です。投資家向け資料や社外向けの提案では、この型があるだけで質問の数が減ります。出典の明記もセットで必要です。

SQUEEZEの課題スライドです。「高い離職率」「低いDX化率」という2つの課題を、同じ大きさのドーナツグラフで並べています。太いドーナツの中央に25.1%、83.6%と大きく数字を置き、注目させたい側だけを緑、残りをグレーにしています。グラフの上には「全業種ワーストの離職率である」と結論を文章で書き添えているので、グラフを読み解く手間なく主張が届きます。下部に厚生労働省・総務省の出典が入っているのも押さえどころです。

引用元:https://speakerdeck.com/coneinc/cone-inc-hui-she-shao-jie-zi-liao-cai-yong-pitutizi-liao
CONEの課題スライドです。OECD加盟38カ国の1人当たりGDPを棒グラフにして、日本の棒だけを黒く塗り、そこから伸びる線の先に黒い楕円で「29位/38カ国」と置いています。他の37本はすべて薄いグレー。国名も日本だけが太字です。データを全部見せながら、見てほしい1本を確実に指し示す作りになっています。黒い外枠と白い紙面のコントラストも、モノクロ主体の構成をそのまま格好良さに変えています。

引用元:https://speakerdeck.com/algomatic/algomatic-works-company-deck
Algomatic Worksの課題スライドです。左半分を「労働人口爆減 労働集約型からの変革が急務」という特大の見出しが占め、濃緑と明るい緑の2色で単語ごとに塗り分けられています。右にはグレーの角丸パネルに収めた棒グラフ。2022年を起点に下方向へ伸びる棒がだんだん濃くなり、各棒の下にオレンジで減少幅の数値が並びます。左のコピーで感情を、右のグラフで根拠を担当させる分業がはっきりしています。編集者としては「爆減」という一語の選び方に一本取られました。
統計ではなく、当事者の気持ちや具体的な生活実感から入る型です。資料の冒頭で「自分のことだ」と思ってもらえると、そのあとの説明が一気に通りやすくなります。

引用元:https://speakerdeck.com/roxxrecurit/we-are-hiring
ROXXの課題スライドです。求職者が感じている壁を3つのカードに分け、それぞれに人物イラストを置いています。腕を組んで首をかしげる人、スマホを見て困る人、汗を浮かべる人と、悩みの中身に合わせて仕草が違います。見出しは紫の太字で「どんな仕事を選べばよいかわからない」と一人称に近い話し言葉。その下に「PCがなく履歴書、職務経歴書を作れない」といった具体的な事情が箇条書きで続きます。抽象的な課題名を、生活のディテールまで降ろしているのが効果的です。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20250624/140120250624597380.pdf
クリアルの課題スライドです。中央に「不動産投資のイメージ」と置き、その周りに「面倒臭い」「借金 複雑」「わからない」「危ない 怪しい」というネガティブな言葉をグレーの円で散らしています。円の大きさをわざと不揃いにして、頭の中に浮かぶ雑多な印象そのものを再現しているのが上手いところ。下向きの三角を挟んで、下段には水色の面に自社サービスの3つの打ち手が並び、課題と解決が上下で完結します。

引用元:https://speakerdeck.com/smoothinc/company-deck
スムーズの課題スライドです。右3分の1に、頭を抱えて通帳を見つめる人物の写真を裁ち落としで配置。左には「引越すためには、21万の給料と5万の貯金で、35万を捻出しなければならない」という一文を大きく置き、その下に天秤の図を添えています。手取り21万・貯蓄5万の白い円が左に、初期費用35万の水色に塗られた大きい円が右に載り、天秤は右に傾いています。金額の差を計算させず、傾きで見せているのがポイントです。写真・コピー・図の3点で1つのことだけを言っています。
今回は「ニーズ・課題」の高品質なスライドを12つ紹介しました。課題スライドで迷ったら、まず「並べる(カード列挙)」「比べる(対比)」「裏づける(グラフ・数字)」「共感させる(共感型)」のどれをやりたいのかを決めてから作り始めると、レイアウトが決まりやすくなります。
スラデザには、今回紹介しきれなかった課題スライドがまだ200枚以上あります。自分の業界に近い事例を探してみてください。
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